7階
ある日の午後。時間で言ったら2時頃か。
僕が働いている6階建ての建物。僕と2名の同僚の男性社員(YとS)は一緒に歩いていた。エレベーターに乗り、目的の階で降りる。
「あれ?」
Sがイタズラで別の階のボタンを押したようだ。
同僚S「引っかかったw」
僕「なにやってんだよーw」
くだらねぇww
ふざけながらも雑談しながら目的の階へと階段を使って上がっていく。
「あれ?ここどこ?」
女子社員だ。年下の可愛い子と年上の綺麗なお姉さん。
お姉さんの方はプロレスと猫が好きで、割と話が合う。話をしていると盛り上がり過ぎてしまい、ちょっと変に勘違いしてしまうことがあるお気に入りお姉さん。
僕「あっ。そこ危ないですよ。」
(Sめ、またイタズラしてんのかよ)
この建物はどこの階に降りても似たような作りになっている。しかし何故かこの6階だけはエレベーター横の階段の手摺りが異常に低く、危ない。手摺りの形状はしているが、高さは20センチほど。ある意味があるか無いかで言ったら全くない。
「ここどこ?(キョロキョロ」
僕「6階ですよーw来る機会無いですもんねwしゃあないすよ。ここ、総務課がある階なんですよー」
彼女らは「もーwww」とか言いながら、エレベーターで帰って行った。
同僚Y「あれ?エレベーターで上がらないの?」
僕「たまにはこっちで行きますw」
さて、僕はこの上に用があるのだ。
実は6階建てとは言ったが、まだ上があるのだ。隠し部屋というわけでは無いが、外からは見えない位置に倉庫のような部屋がある。
「くっ、、、ここ設計したやつ頭おかしいんかよ、、、」
その「7階」への階段は階段とは言えない角度で、形状は「はしご」と言った方がしっくりくる作り。手を使わなきゃ上れない事を考えると「はしご」と言うべきな気がする。
折り返し。踊り場。
反対側の「はしご」からもう1人上ってくる。用務員のYさんだ。
Yさんは僕がここで働く20〜30年も前からここで働いているおじいさんだ。華奢で静かなタイプだが頑固もので、しばしば僕と衝突する。めんどくさいので割と苦手。
狭い踊り場には一斗缶の半分くらいの高さの缶があった。表面はオイルで汚れており、Yさんが持ってきたのだなと思った。
Yさん「引っ張るか?」
Yさんはその缶が僕が上に行く邪魔になると思ったのか、自分側に引っ張った。
ズリッ
「落ちる落ちる」
力ない声でYさんが発する。
突然のことで僕は「あっ」とも声を発することもできず、次の瞬間目に写っていたのは缶を抱えて宙に浮いているYさんの姿だった。
Yさん側の「はしご」は建物のメンテナンス用で、通常、人が上る用ではない。
1階の、普段人が立ち入らない場所から一直線に繋がっている「はしご」なのだ。
奈落
普通の階段ではないので7階から1階まで遮るものは何もない。
急に冷静になり、ドラマティックに「Yさああああああん!!!!」と叫ぶ意味もないと察した。この後、Yさんがどうなるのか。大体見当はついていた。
暴れる様子もなく、声も出さずに缶を抱えたまま落ちていくYさん。
僕と地面を結ぶ一直線上をただただ落ちていく。
時間が経つにつれ、縮尺だけが変わっていき、小さくなっていく。
地面との衝突は間もない。Yさんとのお別れの時間になってしまう。
人間が7階から地面に落下するのを見たことは無いが、この0.何秒後かには凄惨な光景が目に写るだろう。
(目を背けてはいけない)
怖いもの見たさではないが、自分も多少の落下の原因となってしまった以上、目撃者であるべきだと判断した。
覚悟を決めて刮目した。
缶を抱えた体制のまま、地面へ到達。
え( ゚Д゚)
地面に着いたYさんは上半身を起こした。
(え、、、生き、、、てる、、、?)
てっきり木端微塵になってしまうかと
!!
安堵の瞬きをしたその目に写っていたものは、上半身を起こしたYさんではなく、絵に描いたような血の湖。あまりにショッキングな光景で、脳が願望込みの防御機能を作動させたようだ。
これが現実。
そして思った。
(僕、犯人扱いになるやん、、、)
半分リアルな嫌な夢で目覚めました。
血液が沸騰するような感覚で起きたよ(´・ω・`)w
酒、飲みすぎたなww
僕はやっていません。
おしまい
コメント
まさかのタブー、夢オチとは…汗笑
ジカンヲカエシテー
住宅ヒーロー7階建てマン内部での出来事